はじめに
もし、あなたのスマホ一つで自動運転の車が迎えに来てくれたら、どんなに便利でしょうか。NTTドコモが愛知県でスタートさせる「自動運転オンデマンド配車」の実証実験は、そんな未来の移動体験を名古屋の街で実現しようとしています。本記事では、この画期的なプロジェクトが、私たちの移動をどのように変えるのか、その全貌を深掘りしていきます。
名古屋で始まる未来の移動体験
NTTドコモビジネス、NTTモビリティ、NTTドコモの3社が、愛知県からの受託事業として名古屋市都心部で画期的な実証実験を開始しました。これは、自動運転車両とオンデマンド配車システムを連携させ、従来のタクシーとは異なる、未来の公共交通の形を模索するものです。利用者がスマホで車を呼び出せば、自動運転車両が指定の場所まで迎えに来てくれるという、SFのような移動がいよいよ現実のものとなりつつあります。
実証実験の概要と狙い
この実証実験は、名古屋市都心部の交通量の多い複雑な環境で、自動運転車両が実際に走行します。期間は2026年9月11日(金)から2027年3月19日(金)までの平日期間です。名古屋駅前(総合校舎スパイラルタワーズ)、STATION Ai、愛知芸術文化センターなど、主要な5カ所を巡るルートが設定されています。
この実験の主な狙いは、利用者の予約状況に応じて3台の車両を最適に配車するシステムを検証し、従来のタクシーに匹敵する利便性を実現できるかどうかを確認することにあると考えられます。都市部での自動運転技術の社会実装に向けた重要な一歩となるでしょう。
注目すべき3つのポイント
今回の実証実験には、未来のモビリティ社会を形作る上で特に注目すべき3つのポイントがあります。
高度な自動運転技術への挑戦
交通量の多い都心部での自動運転は、交差点での対向車検知や信号予測など、高度な判断が求められる場面が多々あります。本実証実験では、米国で無人自動運転運行の実績を持つ「May Mobility, Inc.」のソフトウェアが採用されています。

この技術は、自動運転レベル4(特定の条件下で運転者が乗車しなくても運行可能なレベル)の社会実装に向けた重要なステップとなるでしょう。車両デザインも地元の学生さんの力作とのことで、未来感が漂っていますね。
オンデマンド配車とMaaS連携
複数の交通手段をスマホアプリ一つでシームレスに利用できるサービスを「MaaS(Mobility as a Service)」と呼びます。今回の実証実験では、名古屋鉄道が提供する「なごやMaaSアプリ『デライド』」と自動運転ソフトウェアが連携します。

アプリで予約をすれば、利用者のニーズに合わせて最適な自動運転車両が指定の乗降地点まで迎えに来てくれるとのこと。これは、従来の路線バスとタクシーの利点を組み合わせたような、より柔軟でパーソナルな移動体験を提供すると考えられます。
対話AIキャラクターによる安心感
将来的に乗務員のいない「自動運転レベル4」での運行が実現した際、利用者がいかに安心して乗車できるかが重要となります。そのため、車内には「対話AIキャラクター」が導入されます。
このAIキャラクターは、乗車目的や知りたい情報を事前に把握し、自然な会話を通じて必要な情報を提供してくれるとのことです。まるで未来のコンシェルジュが同乗しているかのように、乗務員がいなくても利用者が安心して、そして楽しく移動できる環境が整うかどうかが検証されるでしょう。テクノロジーが単なる便利さだけでなく、「安心感」という付加価値を提供しようとしている点に、大きな可能性を感じます。
プロジェクトを支える強力な連携体制
これほど大規模で先進的な実証実験は、多くの企業や団体がそれぞれの強みを持ち寄り、未来のモビリティ社会を共創しています。
| 企業名 | 主な役割 |
|---|---|
| 愛知県 | 本実証の実施主体・統括 |
| NTTドコモビジネス | 本実証のプロジェクトマネジメント、オンデマンド配車システムの提供および自動運転ソフトウェアとの連携 |
| NTTモビリティ | 自動運転車両の提供および導入・運用支援 |
| NTTドコモ | 対話AIキャラクターおよび車内タブレットシステムの提供 |
| May Mobility | 自動運転ソフトウェアの提供 |
| 名古屋鉄道 | なごやMaaSアプリ「デライド」の提供 |
| 名鉄タクシーホールディングス、名鉄交通第一株式会社、名鉄交通第二株式会社 | 交通事業者としての運行支援 |
| 学校法人日本教育財団 国際工科専門職大学(名古屋キャンパス)、HAL名古屋 | 地域事業者としての実証支援、車両デザイン、チラシ・ポスターデザイン、PR動画の作成、対話AIキャラクターデザイン |
| 名古屋造形大学 | 地域事業者としての実証支援、車両デザイン |
NTTグループ3社をはじめ、自動運転技術のMay Mobility、地域の交通を支える名古屋鉄道グループ、そして未来を担う学生さんたちが一体となって、この革新的なプロジェクトを推進していることがわかります。まさに「オール名古屋(&グローバル)」の取り組みと言えるでしょう。
利用方法と今後の展望
この実証実験は、2026年9月11日(金)から2027年3月19日(金)までの平日のみ運行予定です(土日祝日および年末年始を除く)。現時点では利用に関する具体的な料金体系などは公開されていませんが、将来の交通サービスを見据えた今回の取り組みは、私たちの移動のあり方を変える大きな一歩となるでしょう。
自動運転車両の予約や利用に関する詳しい情報は、専用Webサイトで確認できます。
NTTドコモビジネス、NTTモビリティ、NTTドコモの3社は、今回の実証実験を通じて得られた知見を基に、名古屋市都心部での自動運転の社会実装に向けた検討を進めていくとのことです。

NTTドコモビジネスは、企業と地域が持続的に成長できる「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を創造し、豊かな社会の実現を目指しています。モビリティ分野におけるNTTグループの今後の展開にも、目が離せないでしょう。
まとめ
名古屋市都心部で始まったこの実証実験は、自動運転技術の進化だけでなく、私たちの日常生活にどう溶け込み、移動体験をより豊かにしていくかを示す、画期的な挑戦です。オンデマンド配車とAIキャラクターの組み合わせは、未来の公共交通が単なる移動手段に留まらず、より快適で、よりパーソナルなサービスへと進化していく可能性を感じさせます。
自動運転レベル4の社会実装へ向けて、名古屋から全国、そして世界へと広がるであろうこの技術の発展に、今後も注目していきたいと思います。皆さんも、ぜひこの未来の移動を体験してみてはいかがでしょうか。