はじめに
近年、デジタル化が急速に進む中で、サイバーセキュリティは私たちの日常生活、ビジネス、そして国の安全保障に直結する重要な課題となっています。この状況において、毎年開催される日本最大級のサイバーセキュリティ国際会議「CODE BLUE」は、常に業界の最前線を映し出す存在です。2025年も、この祭典が私たちの知識欲を刺激する豪華なプログラムを発表しました。本記事では、私もその内容に注目した「CODE BLUE 2025」の全貌を、皆さんの未来に役立つ視点から深掘りしていきます。
CODE BLUEとは
「CODE BLUE」は、今年で13回目の開催を迎える歴史あるサイバーセキュリティの国際会議です。国内外のトップクラスの専門家が一堂に会し、最先端の研究成果や攻撃・防御技術、そして未来の脅威について情報交換を行う場として、揺るぎない地位を築いています。
なぜこれほどまでに注目されるのでしょうか。それは、単なる情報共有にとどまらず、日本を含むアジアのセキュリティ活性化や連携強化、さらには国内・アジアの優秀な若手研究者を発掘し、国際舞台へと押し出すという明確な目的を持っているからです。世界中のエキスパートが集い、国や言語の垣根を越えて知見を深める機会は、そう多くはありません。私たち一人ひとりがサイバー空間の安全を守る上で、ここで得られるインサイトは計り知れない価値があると言えるでしょう。
2025年プログラムの全体像
「CODE BLUE 2025」は、2025年11月16日(日)から19日(水)までの4日間、新宿区・高田馬場を会場に開催されます。このイベントは大きく分けて、 「トレーニング」 と 「カンファレンス」 の二本柱で構成されており、まさに「知識のインプット」と「実践的スキルアップ」を同時に叶えられる設計になっています。
カンファレンスでの最先端の講演に耳を傾けるだけでなく、トレーニングでは実際に手を動かし、スペシャリストから直接指導を受けることができるのです。この多角的なアプローチこそが、CODE BLUEの大きな魅力の一つだと私は感じています。
最先端トレーニングコース
サイバーセキュリティの現場で即戦力となるスキルを身につけたいなら、トレーニングコースは見逃せません。今年は全4コースが用意されており、それぞれが異なる専門分野に特化しています。
開催期間: 2025年11月16日(日)~17日(月)
私が特に注目したのは、AIがセキュリティの未来を大きく変える中で、その攻防に焦点を当てたコースです。
- AIエージェント・セキュリティ・マスタークラス
 - モダンWebとデスクトップアプリのハッキング:攻撃ベクターの未来
 - 大和セキュリティのツールを利用した高度なWindowsイベントログ分析と脅威ハンティング
 - IDA Proを使用した高度なデコンパイラとプログラミング技術 (オンライン開催に変更)
 
これらのコースでは、サイバーセキュリティの最前線で活躍するスペシャリストから、実践的なスキルを直接学ぶことができます。さらに、トレーニング参加者にはCODE BLUEカンファレンスのチケットも提供されるとあり、驚くことでしょう。まさに、ハンズオンと講演という異なる形式で、多角的に知識を深める絶好のチャンスと言えるでしょう。
詳細はこちらで確認できますので、ぜひご自身のスキルアップに役立ててください。
CODE BLUE 2025 トレーニングプログラム
カンファレンス講演ラインナップ
「CODE BLUE 2025」のカンファレンスは、まさにサイバーセキュリティの「今」と「未来」が交錯する場です。人気コンシューマーデバイスのハッキングから、国家支援型脅威アクターの動向、そして国際的な法学者による「サイバー対処能力強化法」の考察まで、その講演内容は多岐にわたります。

▲CODE BLUE 2024のカンファレンス会場の様子。熱気に包まれた会場で、多くの参加者が講演に耳を傾けています。
中でも私が最も心を奪われたのは、AIとサイバーセキュリティの最前線について議論されるセッションの多さです。
DAY1の最後には、AIとサイバーセキュリティの現在、そして未来像について有識者が意見を交わすパネルディスカッションが予定されています。特に、今夏に米国ラスベガスで開催されたDARPA(米国国防高等研究計画局)主催の「AI Cyber Challenge (AI×CC)」決勝戦の上位入賞チームのメンバーや、同コンテスト開催に貢献したデイビッド・ブラムリー氏(基調講演者) が登壇するという情報には期待が高まります。AIがサイバー攻撃や防御にどう活用され、あるいは悪用されるのか、その最先端の議論に触れられる機会は滅多にありません。
カンファレンスは3つのトラックに分かれており、それぞれ特色あるプログラムが組まれています。
- Track1: 最先端の技術的発見や研究成果が発表されるメインステージ。例えば「AI加速型エクスプロイト」や「Raspberry Pi Picoであらゆるマイクロコントローラーをハックする方法」など、刺激的なタイトルが並びます。
 - Track2 (U25・スポンサー企業によるOpenTalks): 若手研究者や企業が、それぞれの視点からセキュリティに関する知見や取り組みを発表する場です。「AIエージェントSaaSを安全に提供するための自社サンドボックス基盤」といった実践的なテーマにも注目です。
 - Track3 (Bluebox): 比較的短い時間で、具体的なツールや手法、実験的なプロジェクトが紹介されるトラック。まさに「現場で使えるノウハウ」が凝縮されています。
 
すべての講演内容をここで紹介することはできませんが、公式サイトには詳細なタイムテーブルが公開されていますので、ぜひご自身の興味に合うセッションを見つけてみてください。
CODE BLUE 2025 タイムテーブル
コンテストとワークショップ
CODE BLUEの魅力は、一方的に話を聞くだけでなく、自ら体験し、学ぶ機会が豊富にあることです。カンファレンスと併催されるコンテストやワークショップは、すでに公開されている9件のプログラムに加え、今回新たに協賛企業による3件のワークショップが決定しました。しかも、CODE BLUE参加者であればどなたでも参加できるという点が素晴らしい点です。
私が特に興味を惹かれた新たなワークショップは以下の通りです。
- 
「ありますか?BCP」 (主催:株式会社日立システムズ)
サイバーインシデント発生時の初動対応は、まさに時間との戦いです。このワークショップでは、事業継続の観点から、混乱しがちなインシデント発生時にどう優先順位をつけ、迅速に判断・対応するかを体験的に学べます。机上の空論ではなく、実際に手を動かすことで、組織全体の意思決定フローを訓練できる貴重な機会です。 - 
「インターポールAIクエスト」 (主催:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)
「あなたはインターポールのサイバー犯罪捜査官として、完全にAIに支配された空間に潜入する」という、まるでSF映画のような設定に期待が高まります。暴走するAIの包囲網をかいくぐり、被害者を救出できるのか。AIとサイバー犯罪の最先端が交差する、スリリングな体験が期待されます。 - 
「AI × セキュリティ診断最前線 『Takumi byGMO』体験会」 (主催:GMO Flatt Security株式会社)
AIがセキュリティ診断の世界をどう変えるのか、その答えがここにあります。日本初のセキュリティ診断AIエージェント「Takumi byGMO」との対話を通じて、これからのソフトウェアセキュリティ診断の未来を体験できます。AIによる効率化と精度の向上は、私たちの働き方を大きく変える可能性を秘めていると考えられます。 
これらのプログラムは、公式サイトで詳細が確認できます。ぜひチェックして、参加を検討してみてはいかがでしょうか。
CODE BLUE 2025 コンテスト・ワークショップ
開催概要と参加方法
これだけの充実したプログラムが提供される「CODE BLUE 2025」。参加を考えている皆さんのために、開催概要と参加方法をまとめておきます。
【CODE BLUE 2025 開催概要】
- 日時: 2025年11月16日(日)~11月19日(水)
 - 主催: CODE BLUE実行委員会
 - 言語: 日英の同時通訳付き(※一部講演を除く)
 - 形式: 対面形式開催
 
【トレーニング】
- 日時: 2025年11月16日(日)~11月17日(月)
 - 会場: ベルサール新宿南口 (住友不動産新宿南口ビル4F)
 - 参加費・詳細: 各コースにより異なります。公式サイトのTrainingsページをご覧ください。
日本語版 トレーニングページ 
【カンファレンス】
- 日時: 2025年11月18日(火)~11月19日(水)
 - 会場: ベルサール高田馬場 (住友不動産新宿ガーデンタワーB2・1F)
 - 参加費:
- カンファレンスチケット (ネットワーキングパーティ参加費を含む、全エリア入場可能)
 - 通常: 98,000円(税込) (6月1日~11月11日までの事前登録)
 - 当日: 128,000円(税込) (11月18日~19日の当日会場にて)
 - ビジターチケット (入場エリアの制限や、ネットワーキングパーティへの参加不可などの制約あり)
 - 通常: 28,000円(税込) (6月1日~11月11日までの事前登録)
 - 当日: 32,000円(税込) (11月18日~19日の当日会場にて)
 
 
事前参加登録は、11月11日までとなっています。通常価格で参加できるのはこの期間だけなので、興味のある方はぜひ早めの登録をおすすめします。未来のサイバーセキュリティを自らの目で見て、耳で聞き、そして体験するこの機会を逃さないでください。
事前参加登録はこちらから:
日本語版 登録ページ
まとめ
「CODE BLUE 2025」は、単なる技術カンファレンスではありません。サイバーセキュリティという、常に進化し続けるフロンティアにおいて、私たちがどのように考え、行動すべきかを問いかける場です。AIの台頭、国家間のサイバー戦、そして私たちの身近なデバイスの脆弱性まで、多角的な視点から情報と知見が得られるこの機会は、まさに「未来へのチケット」だと感じられます。
事前登録の締め切りは11月11日です。サイバーセキュリティの最先端に触れ、未来を共に創るために、ぜひこの「CODE BLUE 2025」へ足を運んでみませんか。私も、このイベントを通じて得られる新たな発見と出会いに、今から胸を膨らませています。

▲CODE BLUE 2025のイベント告知。トレーニングとカンファレンスの開催日が明記されています。
CODE BLUE 公式サイト: https://codeblue.jp/
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