はじめに
最新モデルの登場ラッシュにより、スマートフォン選びはますます複雑になっています。特に「iPhone以外は触ったことがない」「高価なスマホは避けたい」と考えている方にとって、どのモデルを選べば良いのか迷うこともあるでしょう。
このような状況の中、家電購入ガイドの専門誌『家電批評』が、今注目を集める「ミドルクラス」スマートフォンを徹底的に比較検証し、その結果を発表しました。5万円から10万円の価格帯で、一体どのモデルが「ベストバイ」に輝いたのか、その詳細をご紹介します。
ミドルクラススマホが今、魅力的な理由
かつてミドルクラススマホは「安かろう悪かろう」というイメージを持たれることもありましたが、近年の技術進化は目覚ましいものがあります。現在では、日常的な使用はもちろん、ゲームや写真撮影といった用途にも十分に対応できる高性能なモデルが数多く登場しています。
高価なフラッグシップモデルを選ばなくても、十分に満足のいくスマートフォン体験が得られる。これが、現在のミドルクラススマホが多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となっている最大の理由と考えられます。
『家電批評』の信頼性ある評価基準
今回のスマートフォン比較において、強力な指針となるのが、創刊15周年を迎えた家電テスト専門誌『家電批評』です。この雑誌の大きな特徴は、広告ページを一切掲載しないことです。これにより、メーカーの意向に左右されることなく、専門家と編集部が「消費者目線」で商品を徹底的に検証し、「正直な評価」を伝えています。
その結果として、本当に「おすすめできる」と認められた製品には「認証マーク」が付与されます。このマークは、消費者が安心して製品を選ぶための信頼の証と言えるでしょう。
今回のスマートフォン比較では、以下の8つの項目を合計95点満点で厳しく評価しています。
- ベンチマーク:処理性能の客観的な数値
- 使い勝手:日常での操作性や快適さ
- カメラ性能:写真や動画の美しさ、機能性
- ゲーム性能:重いゲームも快適に動くか
- 映像:ディスプレイの品質や美しさ
- 音質:スピーカーやイヤホン出力の品質
- AI機能:AIの活用度や賢さ
- コスパ:価格と性能のバランス
これらの多角的な視点から、プロの目で厳しくジャッジされた最新のミドルクラススマホ9製品の中から、上位5機種をピックアップしてご紹介します。
10万円以下スマートフォンランキング
激戦を勝ち抜いた注目モデルのランキングを見ていきましょう。
1位:サムスン「Galaxy S24 FE」
総合得点:74.9点
価格:7万9800円(SIMフリー)
堂々の1位に輝いたのは、サムスンの「Galaxy S24 FE」です。ハイエンドモデルの優れた点を引き継ぎつつ、価格を抑えている点が素晴らしいと考えられます。
- 特徴: ベンチマークテストでは「iPhone 16e」と同等の高評価を獲得しました。プロのカメラマンが「誰でもキレイに撮れる」と評価したカメラ性能は非常に高く、サムスン独自のAI機能も他製品を圧倒する賢さを持っています。全体的に欠点が少なく、非常にバランスの取れた一台と言えるでしょう。
- コスパ見解: 8万円を切る価格で、これだけの高性能と優れたAI機能、そしてプロが認めるカメラを搭載しているのは、「コスパ最強」と言っても過言ではありません。スマートフォン選びに迷った際には、まずこの一台を検討してみることをおすすめします。
- 購入アドバイス: SIMフリーモデルのため、お好みの通信キャリアや格安SIMで利用可能です。各社の乗り換えキャンペーンなどを活用すれば、さらにお得に購入できる可能性もあるでしょう。
Galaxy S24 FE 評価内訳
項目 | 点数 |
---|---|
ベンチマーク | 15.0/20点 |
使い勝手 | 10.6/15点 |
カメラ性能 | 8.8/10点 |
ゲーム性能 | 8.0/10点 |
映像 | 17.0/20点 |
音質 | 8.0/10点 |
AI機能 | 4.5/5点 |
コスパ | 3.0/5点 |
2位:シャオミ「POCO F7」
総合得点:71.8点
価格:6万4980円(SIMフリー)
シャオミのPOCO F7は、ゲーマーにとって特に魅力的なモデルと言えるかもしれません。ハイエンド機にも搭載されるSnapdragon最新世代チップセットを搭載している点が大きな強みです。
- 特徴: ベンチマークテストで他製品に圧倒的な差をつけ、その処理性能はゲームプレイ時に存分に発揮されます。素早いアクションや激しいエフェクトも、驚くほどスムーズに動作することが期待されます。
- コスパ見解: 6万5千円を切る価格で、このパワフルな処理能力を手に入れられるのは非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。コスパは5.0点満点中5.0点を獲得しており、ゲームを存分に楽しみたい方にはこれ以上ない選択肢となるでしょう。
- 購入アドバイス: SIMフリーモデルのため、オンラインストアや主要な家電量販店での購入が一般的です。まずは実機に触れて、そのスムーズな操作感を体感してみることをおすすめします。
POCO F7 評価内訳
項目 | 点数 |
---|---|
ベンチマーク | 16.0/20点 |
使い勝手 | 10.4/15点 |
カメラ性能 | 6.4/10点 |
ゲーム性能 | 8.5/10点 |
映像 | 15.5/20点 |
音質 | 6.0/10点 |
AI機能 | 4.0/5点 |
コスパ | 5.0/5点 |
3位:アップル「iPhone 16e」
総合得点:71.4点
価格:9万9800円(SIMフリー)
「やはりiPhoneが欲しい」という方も多いことでしょう。3位にはアップルの「iPhone 16e」がランクインしました。ほぼ10万円と、今回の比較モデルの中では高価な部類に入りますが、その魅力は「iPhoneであること」に集約されると考えられます。
- 特徴: 高価な点を除けば、すべての評価項目で「良好以上」の評価を得ています。欠点が非常に少なく、まさに「優等生」といった印象です。日本のスマートフォン市場で約50%のシェアを誇るiPhoneにおいて、「小型でミドルクラスの価格帯」というだけでも、購入を検討するに足る理由になるでしょう。
- コスパ見解: 他機種と比べるとコスパ点数は控えめ(2.0点)ですが、安定したOS、充実したアプリエコシステム、そしてリセールバリューの高さなど、iPhoneならではの価値を考慮すれば、決して高くはないと感じる方もいるかもしれません。
- 購入アドバイス: キャリア契約での購入のほか、Apple Storeや家電量販店でSIMフリー版を入手できます。すでにiPhoneユーザーであれば、買い替えもスムーズに行えるでしょう。
iPhone 16e 評価内訳
項目 | 点数 |
---|---|
ベンチマーク | 15.0/20点 |
使い勝手 | 11.9/15点 |
カメラ性能 | 8.0/10点 |
ゲーム性能 | 8.5/10点 |
映像 | 15.0/20点 |
音質 | 7.0/10点 |
AI機能 | 4.0/5点 |
コスパ | 2.0/5点 |
4位:シャープ「AQUOS R10」
総合得点:70.3点
価格:9万9770円(SIMフリー)
シャープの「AQUOS R10」は、映像コンテンツを頻繁に視聴する方に特におすすめしたい一台です。
- 特徴: 最大の特長は、その「映像美」にあります。6.5インチのPro IGZO OLEDディスプレイは、ピーク輝度3000nitという驚異的な明るさを誇り、非常に見やすく動きも滑らかです。カメラも明るく柔らかい仕上がりで、特に「料理写真が美味しそうに撮れる」という評価は、SNS映えを重視する方には見逃せないポイントでしょう。
- コスパ見解: 10万円近い価格ですが、このディスプレイ性能とカメラの特性を考慮すれば、映像や写真にこだわりたい人にとっては十分に納得できる価格設定と考えられます。
- 購入アドバイス: 日本メーカーらしい安心感と、唯一無二のディスプレイ技術に魅力を感じるのであれば、ぜひ候補に入れてみることをおすすめします。
AQUOS R10 評価内訳
項目 | 点数 |
---|---|
ベンチマーク | 12.0/20点 |
使い勝手 | 12.6/15点 |
カメラ性能 | 7.7/10点 |
ゲーム性能 | 7.0/10点 |
映像 | 19.0/20点 |
音質 | 7.0/10点 |
AI機能 | 3.0/5点 |
コスパ | 2.0/5点 |
5位:グーグル「Pixel 9a」
総合得点:69.8点
価格:7万9900円(SIMフリー)
Androidを開発したグーグル製と聞けば、OSとの相性の良さは言うまでもないでしょう。「Pixel 9a」は、最新のAI機能を体験したい方にとって魅力的な選択肢です。
- 特徴: テキスト指示や写真からの画像生成・編集ができる「Pixel Studio」に対応しており、これはまさに未来のスマートフォン体験と言えるでしょう。ディスプレイのチューニングも秀逸で、自然な色合いが楽しめます。カメラも広角・望遠ともにトップクラスの性能で、色や明るさのバランスが良好です。処理能力は平均的と評価されつつも、ゲームはカクつきがなく快適に動作するとのことです。
- コスパ見解: 8万円を切る価格で、最新のAI機能や優れたカメラ、そしてGoogle純正ならではのOSの安定性を手に入れられるのは、非常にバランスの取れた選択肢と考えられます。
- 購入アドバイス: Google Storeや主要な通信キャリア、家電量販店で購入可能です。特にAI機能を重視するなら、Pixelシリーズは外せない存在となるでしょう。
Pixel 9a 評価内訳
項目 | 点数 |
---|---|
ベンチマーク | 13.0/20点 |
使い勝手 | 11.3/15点 |
カメラ性能 | 8.0/10点 |
ゲーム性能 | 8.5/10点 |
映像 | 15.0/20点 |
音質 | 7.0/10点 |
AI機能 | 4.0/5点 |
コスパ | 3.0/5点 |
6位以降の注目モデル
上位5機種以外にも、個性的な魅力を持つモデルがランクインしています。
- 6位:オウガ・ジャパン「OPPO Reno 14 5G」(60.9点/7万9800円)
- 特徴: AIカメラと特に優れた望遠カメラ性能がプロを驚かせた一台です。ベンチマークも高水準ですが、おサイフケータイ非対応や主要キャリアでの購入が難しい点が考慮すべき点かもしれません。
- 7位:シャープ「AQUOS sense9」(59.0点/6万940円)
- 特徴: 小型で軽量、そしてこの価格帯で6.1インチのPro IGZO OLEDを搭載しています。手軽に高画質なディスプレイを体験したい方には良い選択肢となるでしょう。
- 8位:FCNT「arrows Alpha」(57.7点/8万8000円)
- 特徴: 手になじむサイズ感と、指紋と指の動きを読み取る「Exlider」など独自機能が満載で、使い勝手は優秀です。国産メーカーのこだわりを感じる一台と言えるでしょう。
- 9位:モトローラ「motorola edge 60 pro」(57.7点/7万9800円)
- 特徴: 丸みのあるエッジスクリーンや、指紋がつきにくい背面素材など、デザイン性を重視する方には魅力的な選択肢となるでしょう。
あなたにぴったりの一台を見つけるには
今回のランキングを通じて、ミドルクラスのスマートフォン各モデルが独自の強みを持っていることがお分かりいただけたでしょうか。
- オールラウンダーを求めるなら: 「Galaxy S24 FE」
- ゲームを快適に楽しみたいなら: 「POCO F7」
- やはりiPhoneがいいなら: 「iPhone 16e」
- 映像美にこだわりたいなら: 「AQUOS R10」
- 最新のAI機能を体験したいなら: 「Pixel 9a」
このように、あなたが「最も重視するポイント」によって最適なスマートフォンは変わってきます。ご自身の使い方や優先順位を考慮して、最適な一台を選んでみてください。
今回のランキング結果は、『家電批評』2025年10月号にさらに詳しく掲載されています。プロが語る詳細なテスト結果や、ベストバイに選出された理由をもっと深く知りたい方は、ぜひ誌面をチェックしてみてください。
『家電批評』2025年10月号の入手方法
- 媒体名: プロが本音でテストする家電購入ガイド『家電批評』
- 発行日: 毎月3日(10月号は9月3日発売)
- 特別定価: 880円(税込)
- 発行元: 株式会社晋遊舎
- 公式サイト: https://www.shinyusha.co.jp/
賢いスマートフォン選びで、あなたのデジタルライフがより豊かになることを願っています。